現実世界でも、デジタルでも。場所を問わず機能する最適なフォントを選択する方法

Monotypeが考えるフォント選びで大切なこと、それは一貫性です。新しいブランドフォントを探す際には、現実世界でも、インターネット上でも、場所を問わずそのブランドを表現するフォントが必要になります。もちろん適切な種類のフォントを選択するのに加えて、書体自体のデザインについて考えることも大切ですが。

書体はコンテンツとユーザーを繋げ、ブランドのイメージを確立させる重要な要素の一つです。選んだ書体によってブランドがどう見られるのか。デザイナーはもちろん、ブランディングやマーケティングに携わる人も皆、書体のデザインとブランドがどのように関係するのか理解しておかなければいけません。

ここでは、製品の書体を選ぶ際に特に覚えておくべき5つの原則を紹介します。

異なったサイズでも綺麗に表現されるか

スマートフォンで表示されているホームページと、街頭にある広告を想像してみてください。ホームページで表示されているフォントは小指の爪よりも小さく、街頭の広告のフォントは自分の体ほど大きいものもあります。フォントはどんなに小さくても読みやすくなければならず、どんなにサイズが大きくなっても崩れずに本来の姿を維持しなければなりません。小さくても読みにくくないか、視認性はどうか等、フォントがバランス良く表現されているかどうか確かめるために検証する必要があります。

デジタル化されるものに関しては、特にさまざまな用途を想定されて設計されている書体が必要になります。ウエイトがしっかりした種類を持つフォントファミリーを探しましょう。エックスハイトやカーニング、ほのめかしについても確認する必要があります。フォントの要素を一つ一つ確認していくことで、文字からユーザーを惹きつけ、目が離せないような素敵なデザインを可能にし、面白く、かつユーザーの記憶に残るフォントを選ぶことができます。

異なったサイズでも読みやすく、はっきり見えるフォントを選びましょう。

グレーの色合いを考慮する

皆様の周りで使用されている黒色は、実は完全な黒ではありません。ほとんどの人にとっては、ただの黒色かもしれませんが、実際にはそうではありません。製品や出版物によってほんの少しだけ白が混ざっている、濃いダークグレーで表示されている、なんてことが度々あります。

真っ黒は強調しすぎるので目に良くないかもしれませんが、逆にコントラストがはっきりしないグレーも読みづらいと主張する人もいます。デザインコミュニティの中ではメインの文章が何色であるべきか、という議論で盛り上がることもしばしば。

ここで重要なのは、どんな濃さのグレーを使おうが、フォントがちゃんとユーザーに心地よく届いているかどうかを確かめることです。薄めのグレーはウェブ上やモバイル上ではあまり良く見えないこともあります。さまざまな濃さで試してみて、より読みやすくするコントラストの度合いを確認してください。

文字イコール完全な黒とは限らないのです。

文字間隔をもたせる

近年、オンライン上で文字を読む機会が増えています。今まで現実世界で読みやすかった文章がネット上でも読みやすいわけではありません。文字を読むことに関して、新たな問題が起こりはじめているのです。一般的にオンライン上で読者が読みづらいのは、文字の間隔が狭かったり、やけに広かったりする文章だといわれています。適切な文字間隔で、異なった文字比率を持ち、特徴的な文字を持っているフォントの方がオンライン上で文字を読んでもらうことに向いているのです。逆にぴったりと詰まった間隔は印刷された新聞記事では読みやすいかもしれませんが、オンラインでも読みやすいとは限りません。

読みやすい文字間隔は、フォントの大きさにも左右されます。一般的に、書体が大きなものは間隔を詰めて表示されます。逆に、とても小さなものに関しては文字間隔を少し広げることによって読みやすくなるのです。さらに使用しているデバイスによっても変化します。携帯画面とデスクトップ画面でフォントを表示した時でユーザーの感じ方は大きく異なるのです。

文字間隔の見え方は適切な文章の色にも左右されます。先ほど紹介した黒色の濃さによって間隔を変更することも読みやすさに影響します。何かを紹介する時に「読む」という動作は必要不可欠。お客様に最後まで気持ちよく製品説明やタッチポイントを読んでほしいならば、読みやすさをおろそかにはできないのです。

近年では、文字の折り返しや消費するスペースに関しても注目されています。デジタル広告やプッシュ通知などのいくつかのオンライン施策を活用する際には、規約によって表示できる文章の量が厳しく制限されます。大きなデスクトップのモニターでも小さな携帯でも同じレベルの読みやすさでデザインしたい場合、例えば間隔が狭いサンセリフ書体を使用することで、読みやすさに加えて貴重なスペースを節約できます。

気持ちよく読むためには、表示に合わせたフォント選びももちろんですが、書体がデバイスや使い方によって適切な間隔で表現されていることが大切なのです。

セリフ体か、サンセリフ体か、フォントの種類も大切

これまで書籍などの読みものを印刷する際には、セリフ書体が最も読みやすいとされてきました。しかしながらオンライン上では同様にはいきません、例えば、特に細い文字を表示しようとした際に、セリフ書体は小さいサイズのフォントで表示すると、セリフ部分が上手くピクセル表示されずに滲んでしまう、なんてこともあります。こういった「にじみ」はかえって目障りな存在になってしまい、可読性を下げてしまいます。

こういった読みにくさなどユーザーエクスペリエンス(UX)が低い状態は、目に見える変化としては現れにくいですが、やがてじわじわと影響しはじめます。対策としては、使用感抜群のサンセリフ書体、もしくは電子版でのテキスト用に作られたセリフ書体、Garamond eTextやdante eText等を使うことを考慮してみてはいかがでしょうか。セリフ書体は細かい文字こそ見えづらくなってしまうものの、見出しなどのより大きなデジタルテキストに向いていて、知的かつ学術的な見た目になります。

サンセリフ書体を選ぶ際にも注意が必要です。例えば、フォントの大文字のIが小文字のLと見分けがつきにくく、似たような字体がある時に使用は控えたほうが良いです。これは、小さくて解像度の低いスクリーンで見分けがつかなくなってしまう場合があるからです。こういった見分けにくさもユーザーエクスペリエンスを落としてしまう原因となります。

逆にもしセリフ書体を使いたいのであれば、ウェブフォントを使用することを検討してみてはいかがでしょうか。ウェブフォントは小さいフォントを使用した時などに起こるピクセルの「にじみ」に最適化されており、低解像度でもフォントの文字が潰れてしまうといったことを軽減してくれます。ウェブフォントを使用することによって、細部まで見やすく、はっきりした文字になり、フォントのポテンシャルを100%引き出すことが可能になります。もちろんこれが企業で統一して使用しているフォントであれば、オンラインで文章を見かけただけでもここはその企業のサイトであると伝えることが出来ますね。ちなみにこの記事の英語版はMalabar®というしっかりしていてかつ、どっしりと構えたセリフ書体で書かれていますので、よかったら確認してみてください。

書体は機能的であるということを忘れてはなりません。

ブランドを皆様に覚えてほしい、独自性を持って、尖っていたい。これはブランドに携わる全ての人が思うことです。他社とは異なる特色を持ち、顧客の目を引き付け、未来永劫ファンになって頂けるようなブランドでありたい。これを実現するためには、まずはフォントから。全ての顧客に変わらない印象を与え、フォントはブランドのアイデンティティを確立させる要素の一つだと、Monotypeは考えています。

上記に加えて、書体は目的を果たすためのものであるということを覚えておくことも大切です。フォントは企業そのものを表現するものだとお伝えしました。これは、バイヤーが商品を購入する際に手助けし、人々をカスタマーサービスと繋げ、さまざまな場所で企業とお客様のつながりを作り出すのです。

書体があまりに質素すぎると、ブランディングはとても大変です。逆に凝りすぎていても、お客様はそっぽを向いてしまうかもしれません。書体は見た目と機能のバランスを取ることが重要であり、各企業、各製品毎にそのバランスは違うのです。

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