新しい書体は、Mindのメンタルヘルスに関する使命にデジタル的な明瞭さをもたらします.

書体のアクセシビリティは、書体デザインや文字の形状だけに左右されるものではありません。用途、色、コントラスト、そして実際のタイポグラフィも大きく関係します。

Phil Garnham, Creative Type Director.

何年にもわたってメンタルヘルスへの認識と理解を深めるキャンペーンを行ってきた後、慈善団体Mindは、その象徴的なビジュアルアイデンティティを更新する時を迎えました。「スキグル」ロゴはイングランドとウェールズで広く認知されていますが、ソーシャルメディアやその他のデジタル空間が、団体に新たな要請をもたらしていました。DesignStudioと提携し、Monotype StudioはMind Meridianという修正版の書体を開発しました。これは、ブランドの中心に温かさとアクセシビリティを据えています。 

概要. 

「Mindは、ブランド、ストーリー、ビジュアルアウトプットを向上させ、それを世界に向けて発信できるパートナーを求めていました」と、ブランドアップデートに携わったDesignStudioのクリエイティブディレクター、Vinay Mistryは語ります。「慈善団体の活動に関する綿密な調査と、従業員とボランティアの両方を含む人々の実体験への洞察により、私たちは、他の要素ほど十分に機能していないストレスポイントをいくつか把握し始めました」。 

英国最大のメンタルヘルス慈善団体であるMindは、以前は数年にわたってさまざまなスタイルで取得された複数の異なるフォントを使用していましたが、現在、新たなアクセシビリティの要件に直面していました。Mindが支援する多様なオーディエンスにとって、ブランドをよりアクセスしやすいものにすることが、新しい書体とデザインシステムの要件の大きな部分を占めていました。また、デザイン経験の有無にかかわらず、ボランティアや各地のMind組織にとって使いやすいものである必要もありました。 

他の多くのブランドと同様に、Mindの交流のほとんどは現在オンラインで行われており、デジタル領域は組織がオーディエンスにリーチするために欠かせないものとなっています。主要な焦点は、これらのプラットフォーム全体で明確に情報を伝えるために、Mindのフォントパレットを更新することでした。これにより、組織はフォントを通じてよりスムースに発信できるようになります。また、これまぜずっと愛されてきたブランド要素である、Mindの「スキグル」ロゴの価値をさらに高める必要もありました。 

「オンラインでも印刷物でも、あらゆる用途で使える単一の書体を制作することで、最もシンプルに使えるものにしたいと考えたのです。看板やポスターのような超大型サイズでも、本当に必要としている人に情報を提供するための超小型サイズでも、しっかりと機能する必要がありました」

Vinay Mistry(DesignStudioクリエイティブディレクター) 

新しい書体は、Mindが持つ温かさと重厚さを体現することが不可欠でした。この組織は、人々に手を差し伸べ、つながることを目的に設立されており、パンデミックによって深刻化したメンタルヘルスの課題を前に、その使命は新たな意味を帯びるようになりました。ブランドの刷新も同じレベルの人間性を表現する必要があったのです。Mistryは次のように述べています。「人々が、組織に対して瞬時に信頼できると感じられる必要があります。それが書体についてのブリーフの重要な要素でした」。 

解決策. 

DesignStudioは、Mindの「闘志」を表現する新たなカラーパレットを既に開発していました。このカラーパレットは、必要に応じて柔らかなトーンにも、より力強いトーンが求められる場面では鮮やかなトーンにも調整できる柔軟性を備えています。これは、Mindの幅広いミッション(支援の提供だけでなく、政府や政策立案者への責任追及も含む)を反映したものです。 

組織の新しい書体は、刷新されたブランディングと調和するように設計されており、Mindの「スキグル」の躍動感を保ちながら、組織の機能的ニーズ、特にアクセシビリティの要件に対応しています。Mind Meridianは視覚に障がいのある方にも判読しやすく、手書き風ロゴのローカルバージョンと並べても自然に馴染むように調整されています。 

「書体のアクセシビリティは、書体デザインや文字の形状だけに左右されるものではありません」と、MonotypeのタイプディレクターであるPhil Ganhamは説明します。「それは、用途、色、コントラスト、そして実際のタイポグラフィも大きく関係します。そこで私たちは協力して、それに関する明確なルールのセットを確立しました。」 

「Monotypeから学んだことの一つは、左揃えの文字組みや特定のカーニングや行間設定によって、判別生と可読性を大きく向上させることができるということです」とMistryは付け加えます。「そうした知識は、フォントの実際の字形や文字に加えて、大きな助けとなりました」。 

FS Meridianは、デザインの出発点となりました。DesignStudioと共に、スタジオチームはその文字の形状や間隔を分析し、プロポーションを狭める、字間を広げる、アセンダーを高くする、終端を強調といった微細な調整を加えました。これらはすべて、書体の「風通しの良さ」と読みやすさを向上させるためのものでした。こうした更新は、MonotypeがING、RNIB、Mencapなどのブランドのためにすでに実施していた。幅広いアクセシビリティ研究に基づいたものです。 

「それは本当にバランスを取ることであり、FS Meridianの核となる基本的なキャラクターを、より会話的で読みやすいプロポーションにすることでした。自然な読みのリズムにより調和した形にするということです。これにより、スペーシングが広がり、フォントのより個性的な側面がさらに引き立つようになりました」

Phil Garnham, Creative Type Director.

デザインスタジオチームによって作成された手描きの句読点セットは、Mindのロゴを反映し、デザインの中心に組織の温かさと個性を埋め込んでいます。「そのシンボルは十分に活用されていないと感じていました」とMistryは説明します。「そこで、これらのイラストを波線の句読点として取り入れ、強調を加えるとともに、Mindが大切にしている人間らしさや個人的な性質を表現しました。それは、とてもクリーンな他のフォントとの良い対比になっています」。 

結果: 

Mind Meridianは、RegularとBoldの2種類のウェイトで提供されており、誰でも使用できるように設計された、幅広いブランドツールキットの一部です。つまり、Mindコミュニティの非デザイナーが使用する場合でも、エラーが発生しにくくなっています。「私たちのシステムは非常に堅牢で、明確な階層を持ち、厳密に構造化されています。見出しから画像、本文に至るまで、その階層構造は一貫しています」とMistryは述べています。 

代替記号や波線句読点を含む基本のBoldウェイトに加えて、書体にあまり慣れていないユーザー向けに、よりアクセスしやすい第2のバージョンも用意されています。これにより、OpenTypeメニューや使い慣れていないデザインアプリケーションに頼ることなく、これらの記号を簡単に使用できます。 

「クリエイターがこの書体を使う可能性があることも認識しています」とGarnhamは付け加えます。「Mindは多くのパートナーシップを結んでいるため、デザインチームがキャンペーンや放送などでこの書体を使ってエキサイティングなことができるよう、最大限の柔軟性を確保しました」。 

アクセス性の向上に加えて、Mind Meridianはブランドや組織がより人間的なアプローチをデザインに取り入れる必要性が高まっていることを反映しています。「多くの企業が、できる限り正直で誠実な方法でコミュニケーションを取る必要があることを理解し始めています」とGarnhamは説明します。「これは製品やサービスを売ることではなく、本物である、ということが重要なのです。そして、私たちは過去1年間でそのトレンドを確かに目にしてきました」。 

Mind Meridianは、現在のMindの姿を受け入れつつ、未来に向けてブランドのトーンに柔軟性を持たせることを可能にします。これにより、Mindはこれまで信頼され、愛されてきたブランド価値を損なうことなく、メンタルヘルスのための取り組みを続けることができるのです。 

新しい書体は、Mindのメンタルヘルスに関する使命にデジタル的な明瞭さをもたらします.
N-3-4656
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