フォント管理の不備によって組織が直面する7つの一般的な問題.

フォントの取り扱いは、特に時間が経ちプロジェクトが増えていくにつれ、すぐに圧倒されるものになります。組織は部門ごとにフォントを管理することが難しいと感じるかもしれませんし、従業員は資産へのアクセス方法が異なる場合があります。
これらの課題を避ける方法を見つけることは可能ですが、信頼できるシステムが整っていない場合、フォント管理の不備は将来的に頭の痛い問題を引き起こす原因になり得ます。だからこそ、十分に考慮された包括的なフォント戦略が整っていない場合に発生し得る問題を想定しておくことが重要です。
以下のような状況に心当たりがある場合は、フォント管理の方法を見直すタイミングかもしれません。
1. フォントが未整理のまま放置されている.
チームやオフィスの中には、ラベル付けや整理整頓、最新の状態を保つことに長けているところもあれば、フォントの整理や保存に正式な手順を設けていないところもあります。フォントの標準的な管理方法があれば、資産構築の効率が格段に上がり、チームメンバーが特定のフォントを探すために膨大な時間を費やすこともなくなります。フォントリスト、フォルダ、タグなどの機能を提供するフォントソリューションを使えば、組織のフォントライブラリをすっきりと整理整頓できます。またフォントフォルダを活用することで、プロジェクトやグループ単位でフォントを分類することも可能です。大企業であれ、小人数のデザインチームであれ、フォントをきちんと分割・整理するフォント管理ツールは、デザインプロセスを確実にスピードアップさせます。
2. フォントが一箇所に保存されていない.
残念ながら、フォントが一箇所に保存されていないことはよくあることです。個々のチームやオフィスは、ローカル環境に保存された独自のフォントライブラリを持っていることが多く、共有が困難です。また、フォントファイルの保存に関しては、多くの人が個人的な好みを持っています。しかし、共同作業をするうえでは、フォントに誰もがアクセスできることが重要です。クラウドストレージやSSO互換性を備えたフォントマネージャを検討してみてください。フォントマネージャがクラウドストレージを提供している場合、フォントやプロジェクトに自動的にアクセスし、組織の全員で共有することができます。一方、SSO互換性があれば、メンバーがチームに加わるたびに管理者がユーザーや権限を更新する必要がなくなるため、新しい従業員の受け入れが非常に簡単になります。
3.フォントライセンスは複雑でわかりにくい.
組織内でフォントを使っている多くの人々にとって、ライセンスは理解することが難しいものかもしれません。そのため、誤用や偶発的な権利侵害が発生しやすくなります。ライセンスには、読み解く必要のある法律用語や、記入しなければならない調達書類が多く踏まれています。理想的なフォント管理ツールは、フォントライセンスのプロセスを合理化し、明確でわかりやすい形で情報を提示するべきです。そうすれば、チームがどれほど多くのフォントを使いたい場合でも、承認プロセスはシンプルになり、フォントで何ができて、何ができないかが明確になります。
4. コラボレーションは直感的ではない.
各メンバーが異なるデジタル環境でフォントを使用している場合、チームをまたいだコラボレーションは困難になり得ます。多くの場合、チームメンバーはそれぞれ自分の選択したフォントを使って個別に作業します。それでは、貴重なフィードバックやクリエイティブな対話の時間が失われてしまいます。しかし、効率化されたフォントマネージャーがあれば、すべてのメンバーにフォントへの平等なアクセスと、プロジェクトを共有するオプションを提供することが可能になり、コラボレーションを促進することができます。
5. ブランディングに一貫性がない.
フォントにはさまざまなフォーマットがあり、自分の会社が使っているフォントのバージョンを全員が常に把握しているとは限りません。古くなったフォントを使っている社員もいれば、新しいものに移行する社員もいるかもしれません。そして残念なことに、こうしたことからブランドの一貫性が損なわれ、ビジュアル・アイデンティティに分断が生じる可能性があります。リストやデジタルプロジェクト単位でフォントをグループ化できるフォントツールを探して、チームが使うべきフォントを明確に把握できるようにしましょう。
6. フォントごとに承認を得るのは不便だ.
多くの組織では、フォントを使用する前に承認を求めるのが一般的な慣習になっています。それが手順なのかもしれませんが、非効率とワークフローの中断につながることがよくあります。フォントマネージャーによってフォントが事前に承認され、すぐに使用できる状態になっていれば、ユーザーはどのフォントが使用可能かをあらかじめ把握できるため、チーム全体の時間を節約し、生産性を向上させることができます。
7. フォントにお金をかけすぎている.
フォントを購入すると、特に一度に一書体ずつ買う場合、すぐに高額になってしまいます。一方で、限られた選択肢しかなければ、創造性が制限され、デザインが短絡的なものになってしまうかもしれません。フォント管理ツールを含むフォントサブスクリプションサービスを検討しましょう。フォントに対するニーズを、1つのプラットフォーム内で満たすことができます。これにより、デジタルワークスペースは大幅にシンプルになり、一度に複数のフォントサービスに料金を支払うことで発生する予期せぬコストを避けることができます。長期的に見ると、サブスクリプションによる安定したコストは、予算をの見通しが立てやすくし、組織全体に一貫性のある信頼性の高いフォント管理ソリューションを提供します。
優れたフォント運用は、信頼できるツールから始まる.
多くの組織は、フォント管理ツールの重要性や、ツールがないことで生じる問題に気づいてすらいないのかもしれません。たとえ自社のフォント運用に問題があると認識していたとしても、どこから改善すべきかを見極めることは、見落とされがちなステップです。
効率的で包括的なフォント管理ツールを探す際には、いくつかの留意すべきポイントがあります。まず、選択したツールに組織内の全員がアクセスできることを確認してください。実際にアクセスを許可するかどうかはあなた次第ですが、そのオプションがあれば、今後共同プロジェクトが増えたときに役立ちます。
さらに、そのツールの使いやすさは、使用を促進するために不可欠です。操作が簡単であればあるほど、日々の業務に自然と組み込まれる可能性が高くなる。クリエイターと管理者の双方にとって、シームレスなフォント管理が実現可能になります。
覚えておくべき重要なことは、フォント運用の不備によって組織が直面する一般的な問題には、それぞれ解決策があるということです。 そして、信頼性の高いフォント管理ツールを導入すれば、すべての人により多くの時間が生まれます。このことは、デザイナーにとっては、非効率的な作業に煩わされるのではなく、創造に集中できることを意味し、管理者にとっては、チーム全体のワークフローを、安定的かつ生産的に維持することに集中できることを意味します。