事例から学ぶ、ブランド創り「ロゴが表現する企業の姿をカスタムフォントに」

Monotype が担当したプロジェクトについて、三井物産株式会社から理事広報部長を務める古川智章氏、日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和氏と Monotype 小林章が登壇し、コーポレートブランディングのための重要なポイントについてお話しました。 

2023年11月10日にMonotype主催のタイポグラフィイベント「Monotype+(モノタイププラス)」がスパイラルホール(東京・青山)にて開催されました。  

今回から過去10回にわたり運営してきたType&(タイプアンド)の名前を改め、再スタートする運びとなったMonotype+は、9月にMonotypeグループの傘下に入ったフォントワークス株式会社(以下フォントワークス)と初めての合同イベントになりました。  

第一回となる今回のテーマを「Typography matters.(タイポグラフィの重要性)」として3つのセッションを設けました。セッション1つ目は、フォントワークスから書体デザインディレ クター藤田重信とMonotypeのクリエティブ・タイプディレクター小林章が登壇し、これまで制作してきたフォントやプロジェクトを解説。セッション1 「Fontworks x  Monotype」」のイベントレポートを見る

セッション2つ目は、フォントワークスの WebフォントサービスFONTPLUSの開発リーダーを務める鈴木丈による、Webフォントの可能性について紹介しました。(セッション2「Webとタイポグラフィの現在地」のイベントレポートを見る

セッション3つ目は、 Monotype が担当したプロジェクトについて、三井物産株式会社(以下、三井物産)から理事広報部長を務める古川智章氏、日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和氏と Monotype 小林章が登壇し、コーポレートブランディングのための重要なポイントについてお話しました。 

今回、Monotypeが担当したのは世界に展開するグローバル企業である三井物産のための、欧文フォントの制作です。このプロジェクトを振り返りながら、リブランディングの進め方やフォントの役割について話しました。 

三井物産は、2014年に企業理念を明確にグローバルに浸透させるため、クリエイティブディレクター佐藤可士和氏をトータル・プロデューサーとして起用し、三井物産ブランド・プロジェクトとしてブランディングを構築してきました。今回のカスタムフォントのプロジェクトもその一つです。 

三井物産ブランド・プロジェクトでは、「人の三井」という言葉を重要視し、社風として長く使われてきた価値を考慮に入れ、従業員をメディアとして活用し、ブランドの理念を世に広めるための取り組みを行っています。これは、三井物産が多言語展開するグローバル企業として、国や市場の違いを超え、統一されたブランドの価値を世界中に発信するという目標を体現したものです。

本セッションでは、本プロジェクトの発足に至るまでの考えや、経緯、ブランディングとの関わり方などを解説。さらに、三井物産、佐藤氏とMonotypeの3社間でどのように欧文書体の制作が進められたのか具体的な例を交えデザインに込めた思いを議論しました。 

佐藤氏は以下のように話しました。ブランディングとは、その企業やブランドの世界観を発信し、コントロールすることであり、社会の中でどのような存在として創り上げていくかという活動だと思います。情報を発信する際は、必ず文字情報が入るため、ロゴとの統一感やフォントが与える印象を考慮することは、ブランディングにとって不可欠であると思います。

カスタムフォントのプロジェクトは、三井物産のブランド・プロジェクトの一環ですが、このフォントは長期に渡り、使われ続けます。世界中でビジネスを展開する上で様々な状況に合わせたコミュニケーションが必要な企業にとって、フォントが担う役割はとても大きいということが分かります。 

セッション終了後に、小林がイベント全体を通して締めくくりの挨拶を話しました。舞台袖では古川氏と佐藤氏がモニターに映る小林の話しを熱心に聞き入る姿が印象的で、このプロジェクトによって、培ってきた関係性を垣間見ることができたようでした。 


三井物産のカスタムフォントMitsui and Co Sansを詳しく見る 

セッションのアーカイブ動画を公開中!「Monotype+ 2023」企業やブランドにとっての書体の可能性を探る 
動画視聴後にアンケートページへの QRコードが表示されます。ご回答いただいた方から抽選でご希望のプレゼントが当たります。 2024年1月31日(土)まで!

プレゼント1:Monotype+2024にご招待(5名)
プレゼント2:小林章氏の著書『欧文書体2 定番書体と演出法』、『欧文書体 その背景と使い方』、『欧文書体のつくり方 美しいカーブと心地よい字並びのために』(各5名)
ご回答締切:2024年1月31日(火)24時


Monotypeでは、企業が選ぶ書体についての課題や問題点を一緒に解決させていただくお手伝いをしています。まずはお気軽に相談ください。無料相談会も実施しています。 

1.    フォントのライセンスや使用条件
商用利用やオンラインでの使用に制約がある場合、ライセンスについてご説明いたします。 

2.    フォントの選択に迷っている
企業ブランドに適切なフォントを選ぶお手伝いをいたします。

3.    フォントのカスタマイズ
リブランディングなど特定の要件に合わせて、フォントのカスタマイズを承ります。 

4.    フォントの検証や評価
企業で現在使用しているフォントと使用予定フォントの比較・検証。専門的なアドバイスをいたします。