Good Type part 9: 優れ他書体には秘密がある。

人と同じように、書体も多面的です。使い方によって実用的でシンプルにもなり得ますし、表現豊かでコントラストに富んだものにもなります。書体の持つ魅力を最大限引き出すためには、その秘密を解き明かすことが重要です。

OpenType では、デザイナーが代替文字を活用できるようになり、デザインのトーンを根本的に変えることから、ちょっとした遊び心を加えることまで可能になりました。代替文字の概念は金属活字の時代から存在していましたが、技術の進歩と写真植字の発展によって、デザイナーはより自由に表現できるようになりました。金属の物理的制約があった時代とは異なり、後のデザインでは文字をより大胆に重ねることも可能になりました。たとえば、Herb Lubalinによる ITC Avant Garde Gothicがその一例です。

合字(リガチャ)は物理的な活字の時代にまでさかのぼる、もう一つのタイポグラフィの「秘密」です。たとえば「n」と「k」のような2つの文字がひとつの金属活字にまとめられていました。アンパサンド(&)はおそらく最もよく使われる合字のひとつで、その起源ははラテン語で「and」を意味する「etにあります。

アンパサンドの進化は、時間の経過による変化というよりも、タイプデザイナーたちが自分たちのデザインに合う形を見つけようと絶えず微調整を重ねてきた過程と言えます」と、Monotype のプロダクトデザインディレクターであるJamie Neely は説明します。「それこそが、デザイナーや一般の人々にとってアンパサンドがとても魅力的で興味深い存在である理由のひとつだと思います。私たちは皆、アンパサンドが大好きです。堅く見ることもあれば、自由な形や装飾的な形にも見えるのです」。

文字を装飾したいと考えるデザイナーにとって、フローリッシュは細かなディテールを加える手段となり、書体を飾的で精緻なものに変化させることがあります。ただし、読書体を飾的で精緻なものに変化させることがあります。ただし、読みやすさを損なうおそれがあるため、ランニングテキストではなく、主にディスプレイコピーでの使用に適しています。

優れた書体には秘密がある。
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