カンパニーデスクトップライセンス:新しい時代のクラウド型ライセンス契約

ほとんどの企業は、幅広くフォントにアクセスできるライセンスをまだ取得していません。つまり、意図せず違反をしてしまうリスクにさらされているということです。

フォントの使用や共有を含めて、私たちが仕事を進める方法は、この数十年で劇的に変わりました。

フォントライセンスの取得方法に関しては、最近まで以前と同じ状態が続いていましたが、ここに来てようやく、現在進行中のイノベーションに追いついてきました。みなさまの組織でも、フォントが含まれる文書の作成、配布、編集の方法が変わったとすれば、フォントのライセンスを取得する方法も更新すべき時期かもしれません。

デスクトップフォントライセンス:別の時代の名残

デスクトップライセンスの「デスクトップ」とは、ほぼ文字通りの意味を持ちます。デスクトップライセンスは個々のワークステーション(またはデスクトップコンピューター)にインストールされるもので、印刷物やJPG画像、その他のデジタルでないアセットの作成にフォントを使用することができます。

クリエイティブ作業は何十年も前からこの方法で行われてきました。その結果、シンプルなワークフローと、コンテンツの作成に使用されるワークステーションがそれぞれ必要なフォントのデスクトップライセンスを取得するという、これまたシンプルなライセンス取得方法ができ上がってきました。特定のフォントへのアクセスを必要とするのはコンテンツのクリエイターだけなのが普通で、クリエイティブ部門外の人がテンプレートやデザインに編集を加えることはまれでした。たとえワークフローが大幅に変更されていても、依然としてこのライセンス方式をとっている組織が少なくありません。

現在では、多くの組織が 効率性と生産性の向上を求めて、クラウド型コンテンツ管理システムの導入に乗り出しています。コンテンツの作成や編集を行うコンテンツオーサリングツールを持っている人が増え、その本人が認識しているかどうかは別として、こうしたコンテンツ作成ツールは文書内にフォントを埋め込み、その文書がクラウドにアップロードされるのが一般的です。

フォントを「埋め込む」とは、どのコンピューター上でも書体が正しく表示されるように、該当するフォントファイルをその文書内に含めるという意味です。多くの場合、これはそのコンテンツの作成者が知らない間に自動的に行われます。このようなファイルはいったんクラウドにアップロードされれば、フォントライセンスのステータスにかかわらず組織内の誰でもアクセスし、編集することができます。

従来のデスクトップライセンスの仕組みが、クラウドベースの作業の場で破綻してしまうのはこのためです。組織で使用するフォントのライセンスを適切に取得するには、フォントソフトウェアにアクセスできる全員にライセンスが必要になります。以前のモデルでは、このアクセス権はデスクトップライセンスでカバーされるワークステーションの数までに限定されていました。使用状況の把握と管理も容易にできました。しかし、新しいクラウドベースの世界では、組織のクラウド型コンテンツ管理システムにログインできる人は誰でも、そこに保存されている文書に埋め込まれたフォントにアクセスできます。別の言い方をすれば、少なくとも組織内では事実上無制限にアクセスできるということです。この食い違いがあるために、企業が現状のデスクトップライセンス契約に大きく違反する結果を招きかねないのです。

クラウドのためのライセンス契約:シンプルで包括的 

ほとんどの企業は、幅広くフォントにアクセスできるライセンスをまだ取得していません。つまり、気が付かないうちに意図せずに違反をしてしまうリスクを常に持っているということです。とはいえ、ビジネスの世界が進化するにつれて、デジタルアセットの管理方法の選択肢も進化します。カンパニーデスクトップライセンスは、組織のクラウド環境にアクセスできる全員をカバーする新しいライセンスモデルで、組織全体でシームレスなクラウドオーサリングとドキュメント共有を可能にします。

あなたの組織はフォントライセンスモデルの更新を検討するべきでしょうか? 次のような点を考えてみましょう。

  • デジタルアセット管理システムやコンテンツ管理システム、あるいは組織全体でコンテンツを保存・共有するためのその他のクラウドベースのツールを利用していますか?
  • 社内のファイルへのアクセスを許可するのにSSO(シングルサインオン)認証を使用していますか?
  • コンテンツ制作チームのメンバー以外に、同チームの文書にクラウド経由でアクセスできる人がいますか?
  • 各担当者やチームの事情に合わせて変更できる、テンプレート化された文書がありますか?
  • 包装やラベル貼付などの目的で、外部の印刷業者にファイルを共有していますか?
  • クラウド環境に保存された文書を使用して、個人やチームが共同作業をしていますか?

上記の中に「はい」と答えた質問が一つでもある場合は、おそらくカンパニーデスクトップライセンスの導入を検討するのが得策でしょう。カンパニーデスクトップライセンスに切り替えれば、フォントライセンス契約の遵守を確保できるのに加えて、組織全体でクラウドオーサリングやドキュメント共有をより簡単でシームレスに行えるようになります。

Monotypeのカンパニーデスクトップライセンスは、お客様の組織に固有の構造や規模に応じてカスタマイズが可能で、ワークステーション一つ一つにデスクトップライセンスを取得するよりはるかにコスト効率が高くなります。他にもご質問がおありでしたら、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。

 

カンパニーデスクトップライセンス:新しい時代のクラウド型ライセンス契約
N-1-6546
Functional