Lost & Foundry.
フォントの力を社会のために——ソーホーの街角に残る崩れかけた看板をフォントコレクションとして再構築し、ロンドンのホームレス支援のための資金を集めるこのプロジェクトは、 Fontsmith（現在はMonotype Studio の一員） とM&C Saatchiが共同で取り組みました。
Fontsmith（現在はMonotype Studioの一員）、M&C Saatchi London、Line Form Colorの3社が共同で手がけたこのキャンペーンでは、ソーホーに点在する崩れかけた看板の書体を復元し、ディスプレイフォントのコレクションとしてオンライン販売。その収益を、ロンドンのホームレス支援活動に提供することを目的としています。
The House of St Barnabasは、ホームレス状態にある人々を対象に、彼らが永続的な仕事に就けるよう支援するプログラム「Employment Academy」を通じて、ホームレスの連鎖を断ち切ることを目的とした社会的企業です。会員制クラブとして運営され、クラブの収益はすべてEmployment Academyに充てられます。
このプロジェクトで、FontsmithはM&C Saatchi Londonと協力し、ソーホーの看板やサインから7つのフォントを開発しました。それぞれのフォントには、Berwick、Cattle & Son、Marlboroughなど、その看板の内容や場所に基づく名前がつけられています。
デザイナー
- Phil Garnham.
Lost and Foundryについて
背景.
Lost and Foundryは、Fontsmith、M&C Saatchi London、Line Form Colorが共同で手がけたチャリティープロジェクトで、ロンドンのホームレス支援を行うThe House of St Barnabasの活動資金を集めることを目的としたものです。このプロジェクトでは、ソーホーの街角に残る崩れかけた看板から書体を採集し、ディスプレイフォントのコレクションとしてオンラインで販売。収益はすべてThe House of St Barnabasに寄付されます。
The House of St Barnabasは、ホームレスの連鎖を断ち切ることを目的とした社会的企業であり、Employment Academyというプログラムを通じて、ホームレス状態を経験した人々を支援し、長期的に安定した仕事に就けるよう支援しています。
実行.
私たちはM&C Saatchi Londonと協力し、ソーホーの崩れかけた看板から7つのフォントを開発しました。それぞれのフォントは、Berwick、Cattle & Son、Marlboroughなど、その看板の内容や関連する場所に基づく名前がつけられました。
フォントは手描きで再構築され、FontsmithのデザイナーであるStuart de RozarioとPedro Arillaによって完全なフォントとして仕上げられました。この工程では、欠けている文字を補いつつ拡張し、それらを実用的で丁寧に作り込まれたデザインへと仕上げる作業が行われ、デジタル化を含めて約3か月の期間を要しました。
結果.
7つのユニークなフォントは、単体またはファミリーとして購入可能です。収益はすべてThe House of St Barnabasに寄付されます。購入者には、The House of St Barnabasの1か月間の無料会員資格が付与されます。
「私たちは2013年から、ソーシャルビジネスとチャリティ活動を展開しており、ホームレス状態にある人々が安定した仕事に就けるよう支援する革新的なモデルを築いてきました。しかし、この方法で人々を支援し続けるためには、私たち自身も革新を続ける必要があります。Lost & Foundryは、私たちとM&C Saatchi、そしてFontsmithによるユニークなパートナーシップの集大成です。ソーホーの歴史、創造性、そして独創性を活かし、必要な資金を集め、より多くの人々が有給の仕事に就けるよう支援しています」
The House of St. Barnabas チーフ・エンカレッジメント・オフィサー Sandra Schembri
デザイナー
Phil Garnham.
Philは、クリエイティブ・タイプディレクター兼タイプデザイナーとして、グローバルブランド向けの書体設計とエンジニアリングに長年携わってきました。デザインスタジオや国際的なクライアントとの連携を通して、書体によってブランドの一貫性を築くために求められる、クリエイティブ面とビジネス面の両方のニーズを深く理解しています。