SNCF は、一貫性と信頼性のある顧客サービスを提供するために、インダストリアルデザインとブランドデザインを活用しています.

ブランドは、特に組織が進化し、親組織の下にサブブランドを含むようになる中で、ロゴを引き立てるコーポレート書体を必要としていました。

コーポレート書体は、時代を超えて愛される鉄道会社の今と未来を支えます。 

概要. 

SNCF(Société nationale des chemins de fer français)は、フランスの国営鉄道会社です。1938年に設立され、パリ近郊のサン=ドニに本社を置き、フランスとモナコの国鉄網(高速TGV網を含む)を運営しています。SNCFは、軌道事業者(SNCF Réseau)と鉄道事業者(SNCF Mobilité)の2つの下部組織と、約900の子会社で構成されています。ブランド全体で、SNCFは世界120カ国以上で26万人以上の従業員を雇用し、3万kmの路線を運営し、毎日1万5000本の貨物列車と旅客列車を運行し、500万人以上の乗客を輸送しています。 

 

課題.

鉄道セクターにおける競争は、他の産業よりも複雑で微妙な側面を持ちながらも、依然としてブランドが顧客に提供できる体験によって大きく左右されます。SNCFは創業以来、顧客体験のあらゆる段階において、デザインの重要性を認識してきました。まず、インダストリアルデザインへの強い配慮から始まり、Paul Arzens によって開発された「ブロークン・ノーズ」スタイルの機関車は、さまざまな速度記録を塗り替え、1940年代から1970年代にかけてフランス鉄道の象徴的な存在となりました。同様に、有名なインダストリアルデザイナーである Roger Tallon は、高速鉄道サービス TGV を開発する際、座席、色、照明、さらには各車両にある配置される路線図に至るまで、あらゆる要素の美的感覚と感触に特別な注意を払いました。 

SNCFはその歴史を通じて、利用者の現代的な関心に合わせてブランディングを進化させてきました。その象徴となるのが、過去80年間でいくつも形を変えてきたSNCFのロゴです: 

  • 1938年: Maximilien Vox がデザインした円形モノグラム
  • 1947年:簡略化されたフランス地図と斜めのイニシャルを組み合わせた紋章
  • 1966年:太字のイタリック体によるより現代的なロゴ(緑色)、力強さとスピードを象徴
  •  1986年:Roger Tallon がデザインした、枠のない簡略化されたワードマーク。レールを思わせるオープンな文字構成
  •  2005年:Carré Noir がデザインした、カーマインとバーミリオンのロゴを導入
  • 2011年:2005年のロゴが刷新される 

ブランドは、特に組織が進化し、親組織の下にサブブランドを含むようになる中で、ロゴを引き立てるコーポレート書体を必要としていました。そのため、私たちは、異なるデザイン特性を持つ複数のフォントを、さまざまな環境——明るい場所と暗い場所、そして異なる極性(白地に黒文字と黒地に白文字)——でテストしました。 

解決策. 

読みやすい書体とは何科? 

SNCFのチームは、優れた書体こそがブランドの印象を形づくるうえで不可欠だと考えています。SNCFは Monotypと協力し、コーポレート書体として Avenir を採用しました。この選択は、広範な事業運営における効率性の必要性、そして顧客に対して信頼性、一貫性、力強さを伝えるという目的に基づいて行われました。 

加えて、Avenirは、各サブブランドがそれぞれのコーポレートアイデンティティを保持しつつも、それらをつなぐ統一されたスタイル要素をとして機能しました。また、SNCFの列車内を含むすべての顧客設定——その列車は30年間の運行を想定——において使用されることを考慮し、時代を超えて使えると同時に、未来にも対応できる書体である必要がありました。これは、他業種では通常求められない、SNCF 特有の要件です。成功のためには、SNCFのすべてのデザインチームがAveniフォントファミリーにアクセスできることが重要でした。MonotypeはSNCFと連携し、22,000台を超えるワークステーションへのフォントの迅速な展開を実現しました。 

SNCFのコーポレートデザインのウェブサイトでは、次のようにシンプルに表現されています。「Avenirは、シンプルで、丸みがあり、読みやすい」。 

Avenirについて少しお話します. 

Adrian Frutigerによってデザインされ、1988年に初版が発表されたAvenirは、直線や円形の効果に依存せず、よりヒューマニスティックな特性を持つジオメトリックサンセリフ体です。Frutigerは知覚心理学に基づいてAvenirを設計し、アップストロークとダウンストロークにわずかな変化を加えることで、純粋に幾何学的な線だけでは実現できない、文字ごとの調和を生み出しました。 

「Avenirを選んだのは、信頼性と力強さを伝えるシンプルな書体だからです。どちらも、私たちにとって非常に重要です。当社は1日に15,000本の列車を運行しており、ミスは許されません。Avenirは、私たちの企業とその強さを体現する存在なのです」

–   Isabelle Patard(SNCF ブランドアイデンティティ責任者_ 

Avenirは、特に小さなポイントサイズにおける読みやすさを考慮して設計されています。「A」や「M」のような文字に丸みを帯びた頂点を持たせたり、ボウル部分の線の太さに微妙な差をつけることで、フォントの厳格さを和らげています。「Avenir」はフランス語で「未来」を意味し、それは単に現代的な書体であるということだけでなく、Paul Rennerの FuturaやHerb LuballinによITC Avant Garde Gothic への敬意を込めて名付けられたものでもあります。 

成果: 

Monotypeとのパートナーシップを通じて、SNCFは強力なコーポレートアイデンティティを維持しながら、市場のニーズに対応し、手頃な価格の旅行ソリューション Ouigo や、プレミアムサービスTGV inOuiといったサブブランドを導入することで進化を遂げています。Avenir は、以下の方法でSNCFを支援しています: 

  • 社内のクリエイティブチームが、オンラインとオフラインの体験をデザインするために必要なブランドフォントへアクセスできるようにする。
  • チャネル間および複数のサブブランド間で一貫性を維持する。
  •  ブランドの将来性を確保し、現在のニーズだけでなく、将来のビジョンにも対応できるようにする。

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SNCF が一貫性と信頼性のある顧客サービスを提供する方法.
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