Renault.
ルノーのための2つのカスタム書体:ユニークなセミセリフとボールド・イタリックの大文字専用フォント.
ルノーのための2つのカスタム書体:ユニークなセミセリフとボールド・イタリックの大文字専用フォント.
概要.
1899年のブランド誕生以来、ルノーの車は大きく進化してきました。2CV、フレガート、フロリードといった象徴的な車種から、近年のルーテシア、エスパス、セニックに至るまで、その歩みは実に多様です。ルノーは常に伝統と革新の融合を体現してきました。
私たちに求められたのは、それを新しい書体で表現することでした。ロゴタイプの伝統を受け継ぎつつ、現代的で先進的な印象を与えるブランドフォントを制作するというミッションです。
アプローチ.
私たちはインターブランドのチームと連携し、ルノーの伝統を大切にしつつ、未来志向で活気に満ち、人間味あふれる書体を目指してデザインを始めました。
ベースとして採用した書体はFS Hackney。この書体を骨格として用い、そこから要素を削ぎ落とし、再構築するための出発点としました。私たちは、ディテールを積み重ね、さまざまなバリエーションを試作し、最終的にルノーらしさを体現するものに仕上げていきました。ダイナミックなセミセリフと角張ったカーブを採用し、ロゴタイプとの一体感を高めています。
また、F1チームと密接なつながりを持つパフォーマンスカーブランド、ルノー・スポールのためのカスタムフォントも制作。ルノーが独自に進めていたデザインをベースに不足している文字を補完し、ブランドフォントやロゴと整合性を保つ設計に仕上げました。「P」や「R」などの特定の文字にはセリフを加える実験的な試みも行い、書体に勢いを与え、一貫性を高めました。
結果.
その結果、全く新しい2つのフォントが誕生しました。ユニークなセミセリフの「Renault Life」と、ボールド・イタリックで大文字のみのカスタムフォント「Renault Race」です。どちらの書体もルノーのロゴと合わせた際にぴったりと収まり、精密さとパフォーマンス、高級感を表現しています。すでにレーシングヘルメットやオンライン広告、パンフレット、看板、車体そのものにいたるまで、さまざまな媒体で使用されています。
セリフの微妙なテーパー処理、均一なストローク、そして力強いプロポーション。細部について語り出せばきりがありませんが、私たちにとって、すべてを物語っているのは文字そのものです。車と同じくらい、個性のある書体だと確信しています。
Monotype Studioについて詳しくはこちらをご覧ください。
Phil Garnhamは、クリエイティブ・タイプディレクター兼タイプデザイナーとして、グローバルブランド向けの書体設計とエンジニアリングに長年携わってきました。デザインスタジオや国際的なクライアントとの連携を通して、書体によってブランドの一貫性を築くために求められる、クリエイティブ面とビジネス面の両方のニーズを深く理解しています。