Neue Haas Groteskは、1957年-1958年にスイスにあるハース活字鋳造所のためにデザインされました。同社のMax Miedingerがデザインを、Eduard Hoffmannがアートディレクションを担当しました。スイスの書体の成功が理由で大人気となったイギリスとドイツのグロテクス書体に対抗するために作られたもので、完成後まもなくLinotypeが再デザインを行いHelveticaとしてリリースしました。
その後、ハース社の大株主であったステンペル社が、同社の大株主のフランクフルトのライノタイプ社のためにNeue Haas Groteskを改刻し、ステンペル社のヴァルター・クンツによって名称がHelvetica(ラテン語でスイスを意味するHelvetiaの形容詞形)に変更されました。さらにライノタイプ社の大株主であったニューヨークのマーゲンターラー・ライノタイプ社がデザインを採用、Futuraに代わる世界で最も人気のある書体として、急速に普及していきました。
Helveticaはまず中心となるデザインができ、CondensedとExtendedは後からデザイン、追加されていきました。これはライノタイプ自動鋳造植字機の機械的制約による理由や、販売方針に沿ったやり方ではありましたが、結果として、ファミリー間のウェイトの調和は本来あるべき姿からは離れてしまいました。
1983年、ステンペル社はライノタイプ社向けにHelveticaをデジタル改刻したNeue Helveticaを制作し、ファミリーに拡張しました。現在は51種類のウェイトで構成されています。
ウェイトを示すためのナンバリングシステムの参考となったのは、Universのシステムです。Helvetica Roman 55を基準に、数字の10の位は線の太さを表し(25 Ultra Lightや95 Extra Black)、1の位は字幅とスタイルを表しています(Helvetica 53 ExtendedやHelvetica 57 Condensed)。